心のパンツは脱げるのか?

30代のおにー・・・おっさんが心のパンツを脱いで話しかけるよ。

夏は黄昏

先日久々に歯医者に行きチェックを受けつつ、最後は歯をクリーニングしてもらったのだけれど、夕方の時間帯で窓から街の風景を見ながら

「随分と日が伸びたなぁ」

と嬉しくなった。

 

枕草子的な感じで頭に浮かんだのは

「夏は黄昏」

であって、まだ夏でもないこの季節でも、その日は25℃の夏日で、18時ごろでもまだ日は落ちていない。

こんな時間帯がもうすぐ本格的にやってくる。

 

そう思うとちょっとワクワクした。

 

歳を重ねながら好きな風景が増えていく。

若い頃は夏の早朝。日が昇るかどうかの薄紫な空とひんやりした空気が好きだった。

 

少し学生時代を思い出すような年頃は秋のセピア色の景色が好きだった。

 

夏休みの朝はラジオ体操があって朝早く起きなくちゃいけなかった。それを思い出す。

学生時代のセピア色は決して素敵な学生時代を送ったわけじゃなかった気もするが、放課後って時間は高校生くらいの特権だった。

あの時に放課後の教室や自転車置き場で話したことやその時いた人達と今はもう付き合いもないけれど、あの風景にいたのだなという記憶だけがある。

 

嫌な事は沢山あったと思うけど年を取るといいことだけがスクリーンショットのように残っている。

 

この前NHKのうたコンで桜や卒業の昭和歌謡的な特集をしていて今の時代の学生さん達は卒業に伴う別れみたいなものが昔とは違うのかもなと思った。

 

勿論、みんなそれぞれの道に進んで同じ場所に留まる事がない寂しさはあるとは思うのだけれど、学校という場所から離れた時にそのまま永遠にサヨウナラという事は少なくなったんじゃないだろうか?

スマホがあってLINEがあって。

多少縁を繋げたい人くらいなら物理的に離れても縁が切れることはないのかな。

 

言えなかった言葉。諦めた想い。そんな事達に今はロスタイムがあるのかもなと思った。

 

そして今は「夏は黄昏」なのである。

40代を人生の何処に位置付けるかはそれぞれだと思うけれど、少なくとも日はこれから沈んでいく時間帯だろう。

でも、まだ日は伸びていて、暖かくて柔らかい日の光がある時間帯。もう少し何か出来るのではないか?とか『夜が始まる(夜は夜で面白い)』

という、日中のロスタイム。夜の公演の幕開け前な感じがいいのかもしれない。

 

こういうの実際は歯医者さんでウィーンと歯をクリーニングされながら頭の中で書いて、読者である自分が読んで満足して終わる。

一度書き終えたものを思い出しながら今こうして書いて、それは誰かが読んで喜んでもらえるものだろうか。

 

わからないけれど、頭の中のブログはこんな事をよく書いています。