心のパンツは脱げるのか?

30代のおにー・・・おっさんが心のパンツを脱いで話しかけるよ。

『THE FIRST SLAM DUNK』感想。ネタバレ全開。

『THE FIRST SLAM DUNK』の感想を書いていきます。
映画の感想をブログに書くのは久しぶりで、俺にブログを書かせたんだから、この映画大したもんですよ(何目線か)

ネタバレ全開で雑に書いていきますが、「スラムダンク観に行くか迷ってんだよなー」って方はまずは、こちらを。
narushima1977.hatenablog.com

「かくして、スラムダンクスラムダンクという概念になったのだ」

宮城リョータスラムダンク
この映画は原作ファンにとって待ちに待った「山王戦」を描いているわけでだが、原作と違うのは桜木花道スラムダンクではなく、宮城リョータを主人公として再構築された感じ。ただ再構築といっても山王戦のゲーム自体は現実のバスケットの試合として原作の各シーンを描きつつ、圧倒的なスピード感、音の表現(ラスト)で描かれている。

宮城リョータの背景自体は短編の『ピアス』の設定を膨らましているのですべて後付けとは思わないが、途中で「あ、これガンダムオリジンだ」って思ったりもした。湘北高校にあいつら5人がなぜか集まった。という感じの原作から、リョータの過去を描くことで父も兄も失い、故郷からも離れたリョータ少年がほんの一瞬兄の面影を見せてくれたのが三井寿であった。そして、だからこそその後の三井の事件と、リョータが停学(だったっけ?)でしばらく部活に出てこられなかった状態につながっていく。
過去の補完をすることで、登場人物のつながりを深くしたりするのはありだとは思うが、ここは賛否が分かれるとは思う。

ちょっと背負い過ぎだろ・・・

ちなみに、最後のかーちゃんの「お帰り」は、試合を見に行かなった事にして、リョータにかけた言葉で、それはそれでいいシーンだとは思うのだが、
「いや、いや、おかーざん、さまよってたの貴女よ?」と突っ込みしたくなってしまった。
俺だったら最後に自宅に一緒に帰ってきたリョータとかーちゃんに対して、玄関で出迎えた妹がそれぞれに「おかえり」というシーンにしたね。
と、勝手に妄想するほどなので、リョータの過去の重さと、それが試合中に回想ではいってくるのが重さに感じる人はいるとは思う。

■試合は圧巻
映画公開前の少ないPVにて「3Dがおかしい」だとか、色々言われた本作だが、観たうえでの感想として一切気にならなかった。
ただひたすら熱い試合が目の前のスクリーンで展開されていた。
これを観られただけでも価値があるのではないか。
正直初日に観た人の感想をシャットダウンしていたが「前情報なしで観ないとやばい」というのだけは把握していたので、「何か俺の予想しない展開が?」
と少し邪念が入っていたので「もしかして山王戦の結末変わるのか?」とかドキドキしてしまった。

というか「結末をしっているのに、手に汗握る試合を見る」って凄いよ。本気でハラハラしてた。

■『THE FIRST』『 SLAM DUNK』とは何だったのか?

冒頭でも意味ありげに書いてみたが
「かくして、スラムダンクスラムダンクという概念になったのだ」
剛徳
まぁ細かい言い回しは俺の頭の悪さの証左として勘弁いただくとして、

今回は宮城リョータを中心にした描き方だったが、我々読者が原作『スラムダンク』の山王戦で一つのピークを迎えたのと同様に、
各キャラクター達にとっても今作で描かれた山王戦こそが「その後の人生の分岐点になったような、荒々しいダンクを決めた瞬間」だったのではないだろうか?

宮城リョータはこの試合があったからこそ、未来でアメリカに渡っていた。
すべてを日本で成し遂げ「何か足りないものがあるなら経験したい」と願った沢北は敗北を知り、アメリカで再び宮城リョータと相対する。

覚醒した流川楓、自分の願いは叶っていたと気が付く赤城剛憲。
三井寿桜木花道。みんな山王戦がピークではなく、そのあとの人生に続いていく。
それぞれ5人別々に『THE FIRST SLAM DUNK』は描くことは可能だろう。原作でほぼ描いているとは思うが。

■花道と流川のタッチ
「あーこのシーンが見たかった」というのはもちろんなのだけれど、
そこに至る道筋が流川と花道だけの話ではなく、花道がベンチにいるときに、他のメンバーから念を込められタッチされる。
花道は「そんなもん役に立たねぇ」というが、メガネ君が戻る時にタッチすることで何かを受け取り、
その後の試合でもタッチを受け取る。リョータとか。
なんか、よかった。

■原作から省かれたシーン
なくて残念というのはもちろんある。ただ、映画に描かれなかっただけで、あるんだよ。俺の心の中に。
それだけでよくないか?
「左手は添えるだけ」って聴こえたろ?聴こえるやつのためにこの映画は作られている。
そういう意味では『スラムダンク』の読者に向けた映画であることは間違いない。

■今こそ電子書籍
もう何年もつぶやき続けていますが『スラムダンク電子書籍化解禁の最後のチャンスだと思うので、お願いします。
パラリンピックとかいろんな事情で『リアル』だけ解禁されているのだろうけれど、やはり今自分の手元にいつだって『スラムダンク』が
いて欲しい。
ちゃんとiPadで見開きは読みますので。お願いします。

■「よかったよな」「うん」だけでいいや。
映画の感想ということでごちゃごちゃかいたけど、「あのシーンのあれは・・・」とか正直いらないんだろうな。とは思う。
学校にジャンプを持ってきて読んでいた、今何やっているか分からない高校のクラスメイトとか、
今はもう連絡先がわからない同級生とか、でもあの頃『スラムダンク』に夢中だったやつらは全国にごまんといて、
今回の映画を観て

「スラダン、よかったよな」
「うん」

それだけでいいのだと思う。

よかったよ。

ありがとうございました。