読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

心のパンツは脱げるのか?

30代のおにー・・・おっさんが心のパンツを脱いで話しかけるよ。

21年目のCOMPLEX「20110730」

音楽

日本一心

吉川晃司が歌い
布袋寅泰が弾く
僕は・・・

「19901108」

1990年11月8日。歴史上特別な出来事があったわけでもなく、多くの人にとっては普通の日。でも日本中で探せばきっと十万人くらいは忘れられない一日だ。

僕にとっても、その日は忘れられない日。

COMPLEXの無期限活動休止(事実上の解散)による、東京ドームでの最後のライブ。

当時の僕は中学1年生。茨城県の田舎町で、坊主頭に緑のジャージを着たチンチクリンだった。
ようやく音楽に興味を持ち始めた年頃で、BOØWYは既に解散をした伝説のロックバンド。こんな格好いい人達がいたのかと驚きつつ、ボーカルの氷室京介の曲を聞き、布袋のギタリズムでギターってなんて格好いいのかと思ったものだ。

そんな時、リアルタイムで知ったのがCOMPLEX。吉川晃司という人は知らなくて、BOØWYの布袋が今はロックユニットというのをやっているという事で知った二人組。

「カッコイイとは、こういうことさ。」

このコピーを知るのは2年後のジブリ映画『紅の豚』での話だが、まさにカッコイイとはこれだ!と思った。夢中になったロックユニットがCOMPLEXだった。

しかし、あっという間にその二人は解散を決め、11月には東京ドームでラストコンサート。

当時の僕にとっては東京は親としか行ったことのない未知の場所で、もちろんライブなんていった事もない、ジャージで毎日を過ごしていたから私服もろくにない。それこそライブにいくお金もなく、それ以前にそんな勇気もなかった。

かくして、夢中になったCOMPLEXはCDとビデオで何度も何度もみるだけの、決して生歌を聴くことのない存在になってしまった。

それから、21年。丸坊主だった13歳の少年は、34歳のサラリーマンになっていた。

「20110730」

そして、今日。僕は東京ドームにいき憧れ続けたCOMPLEXの生歌を生演奏をきいたのだ。

東日本大震災はあまりにも大きな不幸過ぎて、まだ自分の口で安易に総括できない。不幸な事件はいくつもあったし、病気で身内を亡くして、死というものを身近で感じる年にもなった。

でも、東日本大震災ほどの不幸は見たこと無かったし、自分が親を亡くした時の気持ち以上の喪失感を何万人もの人が受けたのだと思うと、正直想像ができない。

そんな中、復興を支援するため、「日本一心」という理念のもと、COMPLEXは復活した。

災い転じて福と成す。というには災いが大きすぎる。

復活はうれしいが、きっかけが不幸すぎて、素直に喜んでいいのかよくわからない。

でも、でもCOMPLEXのライブはどうしても行きたかった。
ただ、ただ行きたかったのだ。どうしても。理屈じゃない。

LIVE。

ライブは明日7月31日もあるので、セットリスト等については書きたくない。

ただ、僕は、ただ感激していた。

オープニングの曲が流れ始めると共に、吉川晃司と布袋寅泰は左右から現れる。ステージ真ん中で向かい合った二人は握手をした。

僕の視界は歪む。

あぁこれが見たかったのかと再確認。

結論というか、若干のネタバレをするとMCはほとんどない。

東日本大震災に対する黙祷も、それに対する言及も何も無い。

ただ、「日本一心の元に集まった俺達は同志です」という吉川晃司の言葉をきっかけに、目の前の大男2人は無心に歌い、弾くのだ。

ただの作業なんかでは決してない、黙々と

「今の自分ができる事」

を二人はずっと体現しているのだ。

言葉はいらない。

吉川晃司は歌う。
布袋寅泰は弾く。

だったら、僕は・・・

全力で、歌い、踊り、手拍子をし、今この瞬間を楽しもうと思った。

憧れ続けた楽曲はどれもすばらしく、東京ドームの音響が悪いとかそういう話はどうでもよかった。

「少しでも自分の力が世の中の役に立つなら全力を尽くす」

今日COMPLEXが体現したものだ。

この二人の大男はいつでもカッコイイ。こんな大人になれるのだろうか?

僕はもう中学生じゃなく、おっさんだ。月曜になれば仕事があるし、運動しなければすぐに太る。

東日本大震災については、未だに僕は何をしたらいいのかわからない。

できる事は、毎月全力で働き、少ないながらも給料から義援金を送り続ける事だけだ。

もしかしたら、もっとやれることがあるかもしれない。
でも、今は、今の自分ができる事を全力でやろうと思う。

ただ、やるんじゃないぞ。全力だ。

遊びも仕事も全力でやる。それがいつか復興の何かにつながればそれに越した事はない。

13歳だった僕にはまだ、好きなものを好きという事ができなかったし、全力で何かをする事は格好悪い事だと斜に構えていた。
34歳になった僕は外見こそおっさんになってしまったが、好きなものを好きといえるだけの大人になったとは思う。

あとは全力だ。全力を出そう。

21年間待ったCOMPLEXは同窓会でもなんでもなく、これから全力でいけというメッセージをもらった。

吉川晃司は歌う
布袋寅泰は弾く
俺は全力で生きよう。

本当に貴重な時間だった。

大人になってよかった。

よかったついでに、大人は力があるのでおかわりを楽しむ事ができるのだ。
「20110731」
俺は明日も全力だ。