菅君の発明工夫
7月になって、まだ梅雨は明けていないけれど夏が近づいてきているのを感じる。
最近会社で仲良くなった隣の席のSさんには小学生のお子さんがいて、
社会人の僕には望んでも得る事のできない夏休みという長期休暇が待っている。
俺「発明工夫とか宿題であるんすか?」
Sさん「いや、無いんじゃない?」
どうやら今の子供達には夏休みの宿題には発明工夫がないらしい。
・・・といってもn数が1じゃどうにもならんので、ネットで検索したら
ありました。発明工夫。
小学生なら可愛いもので、中学生でも発明工夫は宿題に出ていた。
発明工夫。この単語をみると、中学の時の菅(すが)君の発明工夫を思い出す。
菅君は勉強ができない。でも発明工夫は天才だった。
あれは中学三年の夏休みの課題で発明工夫を提出した9月1日。
教室には様々な発明でも工夫でもない、得体の知れない何かが並んでいた。
その中で菅君が出したのは「楊枝」1本。
図工もしくは理科の授業での各自の発表まで、謎の楊枝は置いてあった。
そしてやってきました、発表日。
先生が「すがぁ〜ナンだこれは?」と質問をし、菅君のアンサーは僕らの予想を超えていた。
菅君「砂糖のついた楊枝です!」
一同「!?」
菅君「食事をした後、歯を楊枝で掃除しますよね?この楊枝を使えば甘いんですよ!」
先生「わかった。次!」
先生。教育者失格。
菅君最高。
欲望にそして快楽に忠実になったら、きっとあの砂糖のついた楊枝の発明ができるのだろう。
20年過ぎた今でも、菅君の発明工夫を忘れる事はない。自分が何をつくったかなんて全く覚えていないのに。
その後、中学を卒業して、菅君は地元でも評判の悪い学校に入り、風の噂でシンナーで歯がボロボロになったと聞いた。
あぁあの楊枝は使う事がないのだなぁと思ったものだ。
ネットで発明工夫を検索すると、ご立派なものや、作り方等が沢山出てくる。中学生諸君。答えはネットにきいたら面白くないぞ!
こんな話を思い出して、今年はガンプラでも作ろうと思った暇な日曜日でした。