雑な話(ちむどんどん編)
誰かが楽しんでいるものを自分はつまらないからと文句を言うのはあまり好きではない。
ただ、自分がつまらないものと感じた事を言語化する事は悪い事だとは思わない。
絶対にやってはいけないなと思うのは「それを楽しんである人」に対して「お前こんなの楽しんでるのか?バカじゃないの?」って態度を取る事だ。
ここら辺、自分の心がけではあるが、前提として書いておきたい。
一応エクスキューズは書いたので今日は日曜日の夜だし、明日は出勤するだしで、モヤッとしてるので『ちむどんどん』について書いちゃうぞ。
■一言「つまらん」
「つまらんなら見るな!」と怒られそうだが、朝ドラを視聴しながら朝の出勤の身支度を整える生活を何十年としているわけで、つまらなくてもテレビをつけてはしまう。
■時代考証が雑に過ぎる
いや、細かい事をどうこう言うつもりはない。「カムカム」でも話題になったが、ちょっとしたシーンでその時代にはない車が映ってるとか、そういうのはどんでもいいのだ。
本筋と関係ないところで現代と比較すると説明が必要なところをバッサリ切るのも悪くはないと思う。
例えば昭和50年代の新聞社が仕事しながら誰もタバコ吸ってないとか。
そこはリアルか?と聞かれればリアルじゃないが、本筋としてはいらないとは思う。
逆に言えば本筋として必要な要素については、しっかりすべきだろう。
今は主人公暢子の恋の行方を放送してるけど、
・昭和50年代に
・20代の男女が
・6年間付き合い続けて
結婚もしなければ、ここに来て6年付き合った彼女を本当に選んでいいのか?とかやり出してる。
周りの大人も仕方ないよな。的な言動もあり。
そういう時代なのか?
これ、どっちに転んでも誰も幸せにならないよな。
車だの、タバコだの、
なんなら千歩譲って、新聞広告の「母の味」にクレームがみたいなのも、目を瞑るよ。
(実際、昭和50年代の広告で母の味みたいなことに対して女性を母親に閉じ込めるみたいなクレームがどれだけある時代なのか?)
茶髪も許すわ。
でも、まぁ、男女の仲とか結婚観とかは丁寧に描くべき。
ジェットコースターだった「カムカム」だって、家に入る。長男の子供。という要素であるとか、その子供たちはどちらもある意味孤児なので結婚が自由にできた。とか、その時代背景はありつつも、視聴者を説得するだけの理由を用意していたけど、ちむどんどんはそういう「視聴者に伝える」っていうのがない。
■脚本と演出と音楽が雑
ニーニーとかもだけど、トラブルが発生するとそれはかなり深刻なはずなのに、変に陽気だったりコミカルな音楽が流れて「今は面白いシーンですよー」って演出されてるのだが、ただただ不快なだけ。
序盤から言われているが
・借金の説明はない
・子供を1人口減らしせざるを得ない貧窮のはずがどうやって全員高校までは行かせられたのか
・歌子の謎な病弱設定に対して病院の検査はさせずに他の事に金を使う
・いろんな人に借金しまくったニーニーの返済はどうなっているのか
ずっーとモヤモヤを重ねながら拷問のようにドラマを見ているわけだ。
時代の波に翻弄された家族の物語とか、リベンジとかならまだしも見ていて「自業自得じゃないか?」って事ばかり。
こっから、家族が幸せに向かっても、踏み躙られ傷ついてきた人達は劇中で救われるのだろうか?
■黒島結奈はNHKの秘蔵っ子
本当に可哀想。アシガールをはじめ、NHKの秘蔵っ子と言われるだけのキャリアをしっかりと積んできて、今はヘイトを集めている。
■役者の皆さんが熱演
救いのないドラマなら良かったのに、ドラマが酷いとヘイトを集めてる要因に「役者さんはみんなしっかり演技してる」と凄く感じるのだ。
脚本で描かれた人物像に命を吹き込んで、そこにいる人として演じている。
だからこそ、余計に劇中の登場人物とその描かれ方について「ひでぇ話だわ」となる。
これが棒な演技とかだったら、何も褒めるところがなくて語ることもないのだが、
演者の方々に同情してしまう。という、ある意味、ぼく自身が視聴者として本当に傲慢な目線で見ているのだ。
「ちむどんどん?あぁ、酷かったね。でも役者の人はみんな素晴らしかったよ」とフォローしなくちゃと。
誰もそんな事望んでいないのに。
そんなわけで「ちむどんどん」
キツイぞ。
でも、明日も朝つけるのだ。なぜなら8時20分に家を出るから。
ここ最近、朝ドラも大河ドラマも自分に合っていたので、久々にガッカリではある。
そんな感じです。