心のパンツは脱げるのか?

30代のおにー・・・おっさんが心のパンツを脱いで話しかけるよ。

notミステリー。少女再生の物語『さよならドビュッシー』

2013年がはじまり、ようやく映画を1本観てきました。
『さよならドビュッシー

原作は『このミステリーがすごい!」の大賞受賞作。とのことです。
僕は原作未読で映画を観てきたのでその上での評価となります。

火事で瀕死の重傷を負いながらも懸命にピアニストを目指す少女。彼女には同じく火事で亡くなった祖父からの莫大な遺産の相続があった。
ピアノのコンクールを目指す主人公に起こる不可解な出来事。
そして彼女のピアノ教師、岬洋介は実は検事を父に持ち司法試験をトップで合格したエリート。
独自の視点で少女を見守るが。
主人公のまわりで起こる不可思議な事件の真相は?
少女は火事で失ったいとことの約束「月の光」を弾くことができるのだろうか?

ざっくりこんなお話ですが、

ミステリーとして見に行くと肩透かしを食らうと思います。
こういうのはジレンマなのだろうなぁと思うのですが、「このミステリーがすごい!」の大賞受賞作と聞くとミステリーファンを呼べるとは思うのですが、
多分、この映画はそこに主眼を置いてはいけないのだと思います。

映像化してはいけない小説というのがいくつかあると思うのですが、多分、この原作もその類のものではないかと思いました。
未読なので正確な感想は書けませんが、原作を大きく変えてあるか、映像で描写すると謎が謎にならなくなるものなのかどちらかだと思います。

予告編はミステリーを強調していますが、この映画は

橋本愛を観る!

そう、橋本愛演じる主人公の再生の話なのだと思います。

祖父とともに火事で失ったいとことの約束。その約束を果たすためには過酷なリハビリの末に、コンクールでピアノを弾ききらなくてはならない。
不可思議な事件が起こりつつ、それが可能なのか?

まぁごちゃごちゃ書きましたが、ネタバレを書いちゃうことになるので、何が再生の物語なのかといえば、

懸命に頑張る橋本愛ちゃんを応援しよう。

って話でした。

皮膚移植でつぎはぎだらけ、松葉つえがないと歩けない。
音楽学校では同級生の女の子たちに「フランケン」と陰で呼ばれる・・・

がんばれ!愛ちゃん。

てな感じです。

ピアノ教師の岬洋介を演じる清塚信也は本当のピアニストなのですね。
彼を主役にするんだったら、稲垣ゴローちゃんとか、田辺誠一とかにして、音楽探偵岬洋介シリーズができるんじゃないかと思ったりしましたが、
清塚信也の演技自体もこれが役者として初とは思えないほど、しっかりしていたんじゃないかと思います。
あらを探せば面白くなくなるので。

映画の評価は
ミステリー映画を観たいという動機でいくと★★(レイトショーなら元とれる)ですが、
ミステリーにこだわらなければ★★★(1800円でも元とれる)
という感じです。

去年の『桐島、部活やめるってよ』に続き本作と、橋本愛は気になる存在です。

それでは、また。

さよならドビュッシー (宝島社文庫)

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