(ネタバレなし)『桐島、部活やめるってよ』早く観るべし。
『桐島、部活やめるってよ』を鑑賞しました。
原作は知ってはいたのですが、未読の状態で、映画を観ました。
これが思いのほかいい映画だったので、ブログにてお勧めします。
ただ、何でいい映画だったかを説明しようとすると、ネタバレになってしまうので、この映画はまずはいろんな人に先入観を持たずに観て欲しいなぁと思っています。
スポーツ(たぶん)万能、(たぶん)イケメン、学業優秀、彼女あり、つるんでる仲間もいけてる奴ばかり。そんなバレー部のキャプテン桐島君が、金曜日に部活を辞めました。
誰にも何も言わずに。
この映画は桐島をとりまく人々(親友、彼女、彼女の友達、部活の仲間etc)の世界がいったい何だったのか?を各自の視点から、そして「最初から桐島が存在しない世界」に生きてきた映画部の面々等も交えながら、彼らにとっての本当の価値とは何なのかを描く群像劇です。
今高校生の人。昔高校生だった人。貴方はどんな高校生活でしたか?
クラスにいたイケメンでしたか?
友達に気を使って本音をいわずに調子を合わせてクラスの主流にいましたか?
休み時間にいつも机につっぷして寝たふりしてましたか?
部活やっていましたか?
他校に実は彼氏や彼女がいませんでしたか?
僕は約20年前。茨城の田舎町の高校生でした。大学に進学して田舎をでるまでは、僕の世界は自転車で移動できる、その町が全てでした。
あの頃の自分はその小さな町の中の、さらに高校という箱庭の中で、自分なりのポジションを確保して、踏ん張っていた気がします。
そのポジションとは何なのでしょうか?この映画に出てくる彼らにとって、桐島という存在は何なのでしょう?
そして、その桐島がいなくなった。
ネタバレのような、ネタバレじゃないような事を書くと、この映画は「桐島が部活を辞めた理由を探す」映画ではありません。
繰り返される桐島がいなくなった金曜日をそれぞれの登場人物の視点で映し出しつつ、それまで絶対だった桐島のいる調和のとれた世界が崩壊してゆく様と、その外にもともといる生徒の世界が融合する事で、映画に込められたメッセージが伝えられるようになっています。
もしかしたら、受け取るメッセージは人それぞれかもしれません。
そういう考えさせられる映画でした。
うまく書けてないのですが、感想や考察を述べる前に1人でも多くの人に見てもらいたい作品だと思いました。
僕自身は、35歳になった今でも、登場人物の1人である広樹の気持ちが痛すぎるくらいわかります。
今でもそうだから。
ネタバレ含んだ僕の感想はまた後日書きたいと思います。
映画は観終わった後の感想は星3つ。でもじわじわと思い出す度に、考えさせられるので、リピートはしないだろうけれど、他の人の感想をこれほど読みたいと思う映画も稀なので星4つとします。
残念ながら、興行成績はあまりよくないようですので、早めに公開が終了されちゃわないように、興味がある方は是非ともお早めに映画をみてください。
よい映画です。
それでは。
- 作者: 朝井リョウ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/04/20
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 209回
- この商品を含むブログ (118件) を見る