(ネタバレなし)『臨場 劇場版』は観るべきか?
先日、『臨場 劇場版』を観てきました。
僕は原作を読まずに、TVシリーズから入っているので、その延長線上のつもりで、『臨場 劇場版』を観てきました。
最近だと『相棒』のようにTVと同じ時系列の話として、主要人物が映画の中で死んでしまったり、TVのシーズンの間をつなぐ重要な位置づけになったりする場合があるので、『臨場』についても、そういった手法がとられているのかしら?と思いつつ観にいった次第です。
ネタバレをしないで、結論を書くと、良くも悪くも予想は裏切られました。
TV版『臨場』のファンの人で、劇場版を未見の人はすぐに観にいったほうがいいです。
話の筋のネタバレではないのですが、物凄く広い意味でネタバレをすると、
『臨場 劇場版』にてTV版『臨場』は完結してしまった可能性があります。
『臨場 劇場版』はとても力の入った作品でした。
事件を通して主人公の倉石の生き様を描いています。
ネタバレなしなので詳しくは書きませんが、映画のラストから先の未来については観客にゆだねるようになっています。
昨日は『ダークナイト ライジング』についてラストの見解を言い切りましたが、『臨場 劇場版』はとある理由で言い切る事ができません。
僕なりの見解はありますが、それはネタバレのほうで書きます。
そんなわけで、『臨場 劇場版』は続編が無い可能性がある、力の入った映画です。
また、あわせて以下の根拠でTV放送もない。もしくはあっても大幅カットだと思うので、映画館で堪能するべき作品だと思います。
TVでいつかやるだろうと思っていると損する可能性大です。
TV放送は難しいと思う理由
冒頭の無差別殺人シーンが凄い
犯人役である柄本佑が物凄い演技をしています。逃げ惑う人を血まみれになりながら切りつける。女子高生?の女の子を刺すシーンでは、向かい合った女の子のお腹の部分にナイフを何度もつきたて、擬似的なピストン運動を見せており、最後に深くナイフを刺した跡、体を震わせ射精した事を表しています。
快楽殺人である映像をがっつりと見せます。
※快楽殺人であるだろう無差別殺人のシーンは映画を見た観客だけわかるので、劇中の登場人物達にとっては、無差別殺人の結果しかわかりません。
だからこそ、精神鑑定で心神喪失とされた犯人が刑法39条により無罪となる不条理がより際立ちます。映画を観ている観客は「こいつは無罪じゃないだろ」と思いながら、観ているわけで。
このシーンはTVでは多分放送できないんじゃないでしょうか?でも放送しないと物語の導入にならないしで、そんなところが難しいのではないか?と思う理由です。
検死がTVよりリアルになり、グロイ
ここは一部をカットすればいいだけだと思いますが、検死がリアルさをましています。臓器も取り出されるところがみられますし、女性の遺体はバストも映っています。まぁTVならカットでしょう。
無差別殺人において心神喪失者を理由に無罪とするテーマ自体
テーマが重いので、TVでやりますかね?
そんな訳で、僕としては1年たったら気楽にTVでやるという感じはしていないのです。(しれっとやるかもしれませんが・・・)
映画は何度も書いたとおり力が入っています。
冒頭の無差別殺人にはじまり、心神喪失を理由に無罪になった犯人に対する被害者家族の無念さ、精神鑑定をした医者と弁護士が相次いで殺される事による、容疑を向けられる被害者家族と、倉石の見立て。
倉石は検死で何を見つけたのか?犯人は?目的は?
それぞれ力のある役者さん達が渾身の演技を見せてくれます。
邦画も悪くない。そんな気持ちにさせてくれる映画ですので、
TV版のファンはもちろん、原作ファンの人も、どちらも未見の人も、おすすめできる映画です。
2時間超の映画ですが、1800円の価値は十分あるので星3つと判断しました。
是非観て欲しい1本です。
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