心のパンツは脱げるのか?

30代のおにー・・・おっさんが心のパンツを脱いで話しかけるよ。

2014年1番面白かった漫画は『聲の形』・・・と『僕だけがいない街』

お久しぶりです。
年末恒例?の今年1番面白かった漫画についてブログ書く事にしました。

過去はこちら。

ブログの更新が止まって久しく、書き方も忘れてしまっているのですけれど年末は1年間を総括できるチャンスなので頑張って書こうかしらと思いました。

で、ここ数日「面白かった漫画」について考えていたのですが、今回の『聲の形』は今年1番印象に残った漫画であったのですが、面白かったか?と聞かれると素直にうんと言えないような、葛藤が残る作品でした。ただ2013年に話題になった読切の作品がリメイクとして週刊連載される。そして読切(僕が読んだのはリメイクされた読切でした)の続きが2014年の1年間に渡って完結まで描かれたというのはやはり強烈に印象に残っています。

僕が年末にこの類のエントリーを書くときの基準というのはざっくり言うと、普段漫画をあまり読まない友人にもしも「何か漫画読みたい」って聞かれたら「この作品は読んでおきなさい」って自分で自信を持って勧められる作品なのですが『聲の形』は「面白い」と薦める作品なのかは迷っております。ただ「読んでみて欲しい」
そんな理由から今年は”1番”面白かったといいつつ2作品挙げる事となりました。

印象に残った、少しでも多くの人に読んでみて貰いたい『聲の形』
従来通りの基準で今年読んだ中で面白かったと断言できる僕だけがいない街

そんなわけでして2作品についてつらつらと書かせていただきます。

確実に何かを残す『聲の形』

聲の形(1) (講談社コミックス)

聲の形(1) (講談社コミックス)

1巻のハードルはとても高い。

この物語。7巻で完結した今だからこそ読んで欲しいと思います。これが1巻だけだったら僕は紹介しにくかったと思います。それくらい1巻は読むのがキツイ。小学生時代、イジメにあった人、イジメをした人、間接的に加担した人、傍観者。イジメについていろいろと書くのは簡単なのですが「小学生のイジメ」って振り返ってみると「イジメじゃないのあれ?」って事ありませんでしたか?
まだ心の成長が伴わないからこそ起こる無邪気な悪意(本人達に悪意はないのかもしれない)
『聲の形』の1巻は読切で描かれた事を1巻かけて再現されており、展開を知っている僕でも読むのはなかなかキツカッタです。
簡単に言えば小6のクラスに聴覚障害を持つ女の子が転校してきて、筆談でしかコミュニケーションがとれない事へのクラスメイトの違和感に主人公が火をつけてクラスみんなでイジメをした。って話です。主人公はまだ心が成長していないわけで、無邪気に「耳が聞こえない異星人」として自分とは違う生き物だから苛めていいのだ!と定義づけをしていじめていきます。
最終的にヒロインであるこの女の子は転校せざるを得なくなるわけですが、事の重大さに子供ながらに気づかされたクラス一同の報復は主人公へと向きます。「こいつがイジメはじめたのが悪いのだ、いじめられるのは仕方がない」担任の先生は「因果応報」と言い放ち無視。主人公の世界はイジメる側から、イジメられる側になるわけです。そして誰も友達がいない孤独な日々を高校3年まで送る。
簡単に言えばといいつつ、長くなりましたが、1巻は小学生の無邪気なイジメが生々しく描かれます。
そして高校生になった主人公の目的は「イジメの際に壊した補聴器170万円の親への返済」「イジメたヒロインに謝罪」この2つが終われば死ぬことが目的です。
そして1巻最後に成長したヒロインとの対面。

と、まぁ重いのですけれどこの1巻から7巻まで続く物語はその過酷な経験から人との関わりから耳をふさいだ主人公がヒロインと再会する事でどうなっていくのか?が描かれます。
2014年はこの2人の物語を1年追いかける年となりました。

過去にイジメをしたもの、イジメられたもの、その親・家族。様々な登場人物が心にある葛藤を持ちながら生きているのがわかってきます。

過去は変えられない。未来は変えられる。

この漫画の主題ではないかもしれませんし、ありきたりな言葉になりますがこの未来がどうなっていくのか?が『聲の形』は上手です。決して耳の聞こえない心優しいヒロインに主人公が感化されていく話ではないのです。彼女が受けたイジメの過去は消えない。ヒロインの母親も主人公に言います「あなたがどんなに謝罪してもあの子の小学6年の時間は戻らない」
過去は消せないし、今は過去の積み重ねである。でも今をどう生きるかで未来は変わってくる。僕はそう思います。

聲の形とは

完結まで読むと聲の意味が分かるようになっています。これは読まれた方それぞれが受け止めて欲しいので僕の解釈は書きません。『聲の形』は様々な登場人物の行動や態度が伏線として上手に回収されていきます。これらが繋ぎ合わさると聲の形が見えてくるかと。

とにかく読んでみてほしい作品

物語としての面白さもかなりありますが、やっぱり人とどう接するか?という事に関して深く考えさせられる作品です。この物語自体をファンタジーというか否定的に捉える人もいると思います。実際にこの作品のヒロインは漫画として可愛い女性であるわけですが、もしも容姿に関してもイジメられるような対象だったら?実際に自分の身の回りで同じことが起きていたらどう考えるのだろう?とかいろんな視点で考えられます。
人に面白いよ!って薦めにくいのも、表面的に素敵な物語でした。で終わって欲しくないからかもしれません。でも、それでも読んでみてほしいと強く思う作品でした。

ミステリーの面白さ『僕だけがいない街

こちらの作品については初めて読んだ時の熱量がそのままエントリーになっているのでリンクしておきます。こちらをどうぞ。

昨日最新刊5巻が発売されました。

最初のエントリーで大体7巻くらいで終わるのでは?と書きましたが予想は当たりそうです。
ミステリーだからあまりごちゃごちゃ書くと面白く無くなっちゃうので、是非読んでいただきたい。リンクは3巻まで読んだ感想です。
5巻のラストは「予想通り」と見るのか、読者のミスリードを誘うのか?6巻が楽しみでしかたがありません。

さてさてどうなるやらです。

今年完結した『聲の形』を一気に読んで、2015年に完結すると思われる『僕だけがいない街』に今から追いつくが年末年始の漫画ライフとしてベストかと。

こうやって久しぶりに文章を書くと書きながら思い出す漫画が沢山で「あれも書けばよかったな、これも紹介すればよかったな」と思う事が多いです。
しばらく休憩していましたが、ブログはちょっとずつ再開しようと思いました。

来年も沢山読みましょう。

それでは、また。