心のパンツは脱げるのか?

30代のおにー・・・おっさんが心のパンツを脱いで話しかけるよ。

(ネタバレあり)『鍵泥棒のメソッド』の感想。

公開して1ヶ月以上経ってしまっていますが、
鍵泥棒のメソッド』を観てきました。

映画館の予告で香川照之が豪快に風呂場でこけるシーン以外はほとんど前情報をいれずに見に行ったのですが、実際に観て思ったより楽しめました。

登場人物は主に3人で
35歳になってもまったく売れない劇団員の桜井(堺雅人

謎の殺し屋コンドウ(香川照之

自分で行動予定を立ててその通りに生きてきた雑誌編集長の水嶋(広末涼子)

鍵泥棒のメソッドは、
自殺を図ったが死にきれなかった桜井が風呂場にいき、他人の石鹸を使おうとしたら石鹸が転がってしまい、そこに殺しの仕事を終えたコンドウが偶然風呂場にきたことで、石鹸に足をすべらせて頭をうって気絶してしまった際に、桜井がコンドウの脱衣所の鍵を自分のものと入れ替えた事で起こる物語です。

高級車と大金を手に入れた桜井

頭を打ったショックで記憶を失い、もっていた税金の滞納書類から自分が桜井であると思い込まされたコンドウ

そして記憶を取り戻すために必死に自分を探し続けるコンドウに偶然出会う相手もいないのに結婚することはスケジュールとして決めた水嶋。

桜井はコンドウの仕事の内容に近づくにつれ恐怖を抱き、コンドウとして仕事を引き受ける事に。

僕はこの物語はてっきり『転校生』みたいな感じで、桜井とコンドウの人格がいれかわる話なのかと思っていたら、そうじゃないんですね。
確信犯としてコンドウの立場を手に入れた桜井と、記憶を失い桜井の現状を受け入れながら本来の几帳面さで一つ一つを記録してゆくコンドウ。
そして、そのコンドウに惹かれてゆく水嶋。

几帳面で真面目なコンドウと同じく几帳面でスケジュール通りに生きてきた女である水嶋が結ばれるのか?というのが気になる映画です。

二人の相性はとてもよさそうなのですが、観ている僕らとしては「コンドウって記憶戻ったら人殺しじゃん」というのがあります。

コンドウとして人殺しの依頼を受けてしまった桜井。
桜井として自分を探し続けるコンドウ。
そんな桜井(コンドウ)に惹かれる水嶋。

登場人物はシンプルながら、面白い構図でした。

以下ネタバレ含む。


そんなわけで「記憶が戻ったら人殺し」のコンドウは水嶋と結ばれるのかしら?なんて思っていたわけですが、コンドウの正体は
便利屋(運び屋?)でした。

殺し屋ではないわけですね。強引ですが、よかったよかった。

堅く文章を書いていますが、映画自体はコミカルなのでこの展開はわりとなじむ話なのですが、まぁ軽犯罪ではあるんじゃね?とか思ったり。

そんなわけで、コンドウの記憶が戻ってからはコンドウにならざるを得なかった桜井を救うための物語になります。
そこに再び水嶋が巻き込まれて・・・って感じ。

映画はリアリティーがあってドキドキするという類のものではないですが、3人の絡み合いが面白かったです。

特に自分が35歳の貧乏劇団員だと思い込まされた香川照之がいちいち面白い。服装も35歳設定なものなので、似合わない若作りをしているおっさんな感じでとてもニヤニヤしました。

最近観た映画が『アウトレイジビヨンド』だった事もあり、この『鍵泥棒のメソッド』の世界と融合してたら、皆殺しですぐ終わってたなと思うこと多々ありました。そのくらい、緩い世界観です。でもそういうのも悪くないと思います。

まだ映画館でやっているようですし、ちょっと楽しく映画を観たいという人にはお勧めかと思いました。

そんな僕の評価は★★★

最近邦画を観る事の方が多いような気がしています。

次回は「エヴァ:Q」でしょうかね?

それでは、また。

鍵泥棒のメソッド (角川文庫)

鍵泥棒のメソッド (角川文庫)

点描のしくみ

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