こんばんは。
本日、偶然にも近くの映画館で『黒部の太陽』がやっていたので、観てきました。
昭和の大スター「石原裕次郎」の求心力は凄まじく、隣の初老のご夫婦はしきりに「映画館で映画を観るのはもう何十年ぶりだろう」とお話をされていましたよ。
この『黒部の太陽』1968年に公開された作品ですから、今から44年も前の作品なのですね。
僕がまだ産まれてもいない時の映画です。
ずっと、石原裕次郎の遺言?でソフト化されなかった作品ですが、来年2013年に初のDVDになると何かで目にして、その時に観てみたいなぁと思った作品が思いもがけず、『完全版』の3時間30分にて上映されていたので、
「だったら、遺言通り、映画館で観ようじゃないか!」
と思い立ち、行って参りました。
映画は一言で言えば「重厚」
CGなんて無い時代に、黒部ダムのトンネル工事がいかに危険と隣り合わせであったかを大量の水と共に映し出しています。
昭和の大スターはいますが、ジャニーズも、お笑い芸人もでていない、顔を汚した役者達が必死にダム工事に取り組む模様が描かれています。
映画のポイントは中止も検討されたという「破砕帯」での工事の困難さと絶望感がよく描かれていました。
僕達は、黒部ダムが現実にある以上、結果はわかっているのですがこの絶望感からどのように工事を立て直していくのか、解決に向かったときの喜びが良く伝わりました。
映画は工事の責任者である三船敏郎と、下請け業者である岩岡組の社長の息子である石原裕次郎の二人が中心です。とはいっても僕でも名前を知っているような名優の若いときもみられますので、それぞれの役者が渾身の演技をしているという感じでした。
三船敏郎の家族にあった出来事と、トンネル開通の時のコメント。とても複雑な心情が伝わるのは物凄い演技であるかと思います。
この映画の根本にあるのは泥臭さだと思います。
今のCG技術でつくれば、もっと迫力のある地盤の決壊等が作れるかもしれません。
しかし、この映画にある土の匂いのようなものは作れないのじゃないでしょうか?
今はTVのサイズも大きくなっていますし、DVD化されても楽しめるかとは思いますが、それでもやはり大きなスクリーンで体験すべき映画であるかとは思いました。
もしも、お近くで上映されていたら観てみたらいかがでしょうか?
映画の評価は44年前の映画であるのに、ここまでの重厚な映画だと今観ても感じる事ができたので、星4つです。
映画に大スターがいた時代というのが、ちょっとうらやましいですね。
それでは、また。
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